戦前戦中

堀辰雄が描いた分かれ道

また、人生の話をするが、振り返った時に「ああ、あの時が分かれ道だった」と思うことは誰もがあるだろう。思ったところでどうしようもないから、あの時にはあれしかなかったのだ、いやむしろ自分の選択は間違っていなかったのだと、自分を納得させてみる。何...
江戸前期

冥土の旅の一里塚

マラソンの君原選手は苦しくなると「あの電柱までは」と手近な目標を立てて走ったという。おそらく江戸時代の旅人も一里塚にたどり着くと「ここまで来たか」と振り返ったに違いない。電柱であれ一里塚であれ、人が足を前に進めるうえで目印の役割は大きい。長...
鎌倉

鞭を逆さに突き立てた武将

源頼朝といえばあの顔が浮かぶ。そう、神護寺蔵の伝源頼朝像である。しかし、近年の研究によれば像主の比定に誤りがあったのだという。あの武将は源頼朝ではないのか!?学校の先生が「これは源頼朝の肖像です。この絵を見て頼朝がどのような人物か想像してみ...
室町

龍が地上に現れた場所

真夏の旅では水を見るだけで涼感が得られる。私は干拓地で育ったせいか清冽な湧水を見たことがなかった。それゆえ浅間山麓の古刹の池に湧く水のことは忘れ得ない。長野県北佐久郡御代田町大字塩野の真楽寺に「大沼の池」がある。水の清さにではなく、藻の鮮や...
戦後

高度成長を支えた技術

川口を訪れるまでキューポラが何なのかを知らなかった。語感からメルヘンっぽいものと思っていた。川口は鋳物の町である。映画にもなっている。『キューポラのある街』はDVDで見た。やはり列車を見送る別れの場面は圧巻だ。その後の歴史を知っていることが...
江戸前期

今日は何の日、佃煮の日

その日は東京湾大華火祭の日だった。勝どきの辺りだったか自転車で花火を見に行った。もちろん最初から飲む気でいた。ビールは何でもよかったが、つまみはこだわってみたかった。佃島を通る。ここにきて佃煮を買わなかったらモグリだろう、と自分に言い聞かせ...
江戸後期

職業作家の誕生

『南総里見八犬伝』を一度読んでみたい。以前に館山市立博物館を訪れた時、八犬伝の錦絵を見てそう思った。美しい錦絵もストーリーを知らなければ心が動かない。決定的な場面に「キタ―(゚∀゚)―!」と言えるだけの素地があれば、どれほど楽しいことか。江...
江戸中期

非常の人、火花を飛ばす

本日放映のNHK『歴史秘話ヒストリア』は「痛快!江戸のお騒がせ男~天才・平賀源内の先走り人生~」だった。エンディングで親友・杉田玄白による追悼文が紹介された。源内がどのくらい騒がしかったかをよく伝えている。ああ、非常の人 非常の事を好み 行...
江戸前期

カエルが飛び込んだ場所

古池や蛙飛こむ水の音この句を俳画にすると面白い。ある人はカエルが飛び込む瞬間を描くだろうし、ある人は飛び込んだ後の水の波紋を絵にするだろう。また別の人は音に気付いた芭蕉の!を表現するだろう。イメージが湧き、動きがあって、音がする。まさに俳句...
江戸後期

海峡に名を残した人

てふてふが一匹韃靼海峡を渡つて行つた安西冬衛の「春」という一行詩である。はかない蝶が荒々しい韃靼海峡を渡る。大小、強弱の見事な対比、見たこともない風景なのに見た記憶となるように映像化できる。そもそも韃靼海峡という名称自体で想像が掻き立てられ...