古墳

待てど暮らせど来ぬ皇子を

額田王をめぐって中大兄と大海人の二人の皇子が争ったというのは、あの有名な「野守は見ずや君が袖振る」「人妻ゆゑにわれ恋ひめやも」の歌からの連想であり、史実としては確認できないそうだ。それでも、そういう筋書きの方が面白いことは確かだ。美女と二人...
江戸後期

研辰(とぎたつ)の討たれ

2008年まで「朝日舞台芸術賞」(朝日新聞社)という舞台作品の成果を顕彰するアウォードがあった。2001年の第1回グランプリに輝いたのは「野田版 研辰(とぎたつ)の討たれ」であった。先年亡くなった中村勘三郎(受賞当時は勘九郎)主演の、平成歌...
神話

人食い魚を退治した皇子

むかし「瀬戸内海に大きな悪魚がいた」という。その大きさは島ほどもあり、船を沈めて人を食ったという。まったく人を食ったような話だが、そこが伝説の面白さだ。姿は『金毘羅参詣名所図会』巻四に収められており、いかにも獰猛で悪さをしそうだ。しかし、よ...
鎌倉

ナムアミドーヤの念仏踊

「宗教」は思索のみでは成立しない。感情の高まりが重要な要素であることを鑑みれば、「音楽」は不可欠なものだといえよう。音楽を聞けば自然に身体が動いてくる。その身体の動きは「踊り」と呼べばいいだろう。踊りによって私たちは神と一体となり、その折の...
源平

千分の一の奇跡

鹿ケ谷のように陰謀めいた話は、今も昔もごまんとあるに違いない。権力闘争、それが政治の世界である。参院選が近付いているが、安倍政権打倒なぞ夢物語の勢いである。エジプトでは軍のクーデタにより民選のモルシ大統領が解任された。これは先行きが不透明な...
安土桃山

桃山文化の自由な空間

建造物内で受ける印象の強さは見通せる距離の二乗に比例する、という法則がある。というのは冗談だが、あってもよさそうな気がする。都会のビルに入ると、そのエントランスホールの大きさに驚くことがある。凄い所に来たぞと思わせ、相手を圧倒する効果を発揮...
戦国

日本三大奇襲戦の目撃者

日本三大奇襲戦とは、織田信長の桶狭間の戦い、源義経の鵯越の戦い、そして毛利元就の厳島合戦である。そのように宮島観光協会のサイトには書いてある。義経の代わりに後北条氏の河越夜戦を入れるのもよく見かける。世界遺産のある平和で神聖な厳島で、かつて...
源平

貴族社会最後のVIPが夢見た浄土

さすがは世界遺産である。浄土とは此処のことか。海に浮かぶように見える社殿を写真ではよく見るが、潮が引くと風景は一変する。干満の差は4mにもなるという。潮干狩りに来た人は大喜びだ。自然と人為との織り成す貴重な文化遺産である。普通なら赤い大鳥居...
戦後

甲子園で響くカチカチの源流

今年も甲子園出場をかけて球児の熱い戦いが繰り広げられる。北海道と沖縄ではすでに地方予選が始まっている。広島は29日が組み合わせ抽選会だそうだ。93チームの頂点に立つのはどこなのか。広島工業の2年連続か広陵高校の春夏連続か。甲子園では広島の応...
戦後

サヨナラダケガ人生ダ

峠に雨が降る。同じ雨雲から落ちてきた水滴なのだが、峠のこちらと向こうでは流れる方向が異なる。流れて別の川となり、それぞれに大きな川に合流し、別々の海に流れ出る。こうした尾根筋を分水嶺というが、ここは古来から特別視されてきた場所であった。一義...