江戸中期

花火で称えられる謎の名奉行

今年も鍋の季節がやってくる。鍋奉行にアク代官とは、よく言ったものだ。蒙昧な民は肉、肉と騒ぐのだが、奉行は毅然と対処し、民に最後までおいしい具材と汁を施してやらねばならぬ。鍋を治める者は夕食を制す。その者こそ名奉行である。尾道市東久保町の浄土...
南北朝

足利兄弟、栄光の足跡

平清盛と足利尊氏はかつては悪人のイメージが強かった。最近はどちらも復権して歴史の流れをつくった人物として高く評価されている。清盛の死後、平氏は西海へと敗走する。尊氏もまた西海に落ちたことがあった。異なるのは、平家は西海に沈んだが、尊氏はみご...
平安

恋の道と信仰の道

小倉百人一首56番は「あらざらむ この世の外の 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな」という和泉式部の歌である。死ぬ前にもう一度会いたい!という強烈なメッセージで、恋多き女、式部にふさわしい。その式部が信仰の道に入り各地を遍歴する。備後の...
平安

和泉式部の小賢しい歌

紫式部に言わせれば「和泉はけしからぬかたこそあれ」(『紫式部日記』)だそうだ。和泉式部の人物評である。ただし歌の才能には一目置いている。「口にまかせたることどもに、かならずをかしき一ふしの、目にとまるよみそへはべり」と、即興の歌にもキラリと...
明治

島で考えた日中関係小史

このブログの最初の記事は、村の祖師堂にある日露戦勝記念の石鉢を取り上げた。村を挙げての祝祭ムードについてレポートした。幕末以来、我が国の人々は外国と接することを通して国家を意識するようになった。帝国主義の風潮に乗じて、対外武力行使をたびたび...
源平

開拓者は義仲の遺臣

4本前の記事で太田・絵堂の戦いを書いたが、長州俗論党の首魁・椋梨藤太のことが気になり始めた。明治維新を成し遂げた正義党を弾圧したので、すっかり悪役扱いだが、彼だって長州藩の安泰を願っての行動だったに違いない。歴史は敗者に冷たい。敗者でありな...
鎌倉

天下の副元帥がやってきた

人生楽ありゃ苦もあるさ、と水戸黄門一行が全国を行脚しながら勧善懲悪を行う。国民的な人気の物語であるが、史実とはかけ離れている。史実に基づかなくとも面白いものは面白いのだ。黄門さまからさらに時代を何百年かさかのぼって鎌倉時代を背景とした似たよ...
鎌倉

重源上人温泉物語

温泉に入ると、日本に生まれてよかったとしみじみするものだ。なぜ心地よいのか。まずは広いこと。手足を伸ばすと浮力を感じることができる。次に泉質が豊かなこと。特に硫黄泉やアルカリ泉などは別世界が楽しめる。そして時の流れが異なること。実際には異な...
飛鳥

15階級特進の栄誉

JR山陽本線に上道(じょうとう)駅がある。昭和61年開業の新しい駅なのだが「上道」という地名はかなり古い。備前国府が置かれた上道郡は備前国の中心地であった。ここを本拠地としたのが上道(かみつみち)氏である。有名な吉備真備は下道(しもつみち)...
幕末

明治維新発祥の地

今月10日に下村文部科学大臣が省議で「2020年を単に東京五輪の年とするのではなく、明治維新、終戦に続く第3の社会変革の年とし、日本全体を活性化していきたい。」と発言したそうだ。ああ、またこの言説か。現代の閉塞感を打破しようと改革を進めよう...