明治

文字の削られた記念碑

戦争反対の声が登場したのは日露戦争の頃だ。内村鑑三の非戦論や与謝野晶子の反戦詩は、歴史教科書に掲載されている。晶子は、「死ぬるを人のほまれ」とは天皇陛下も思っていらっしゃらないでしょう、と戦争を賛美する風潮に一石を投じた。安全保障関連法の成...
戦後

風がホルンを鳴らす街

風に誘われて旅に出た。日本三大局地風の一つが吹くというから、怖いもの見たさに四国までやってきた。雲が飛び、木々がゆがんで生えている荒涼な風景に、烈風が吹きすさんでいるのかと思った。ところが、どうだ。このメルヘン的な、あまりにメルヘン的な。四...
江戸中期

最高のスペシャルデイのために

子どもの頃には誕生日とかクリスマスというと、何か特別な時空にいるように感じていたものだ。それが今では、何事もなかったかのように一日が過ぎていく。歳を重ねると瑞々しい感性が失われていくのか。ところが、元旦だけは別だ。車が少ない。だから音がしな...
江戸中期

紀州徳川家の奥方という人生

大河『花燃ゆ』の視聴率云々は言わない。松坂慶子(都美姫)、田中麗奈(銀姫)のおかげで、大名家の女性の暮らしぶりがよく分かった。先日はついに廃藩置県が断行され、長州藩の奥御殿も解散してしまった。銀姫は洋装となってはしゃぎ、華麗に明治を生きてい...
平安

鎌倉仏教の先駆者

今年は高野山開創1200年、つまり空海が高野山に金剛峰寺を開いてから1200年となる。空海がすごいのは、「即身成仏」という考えを広めたことである。その頃、悟りを開いて仏となるには、何代も生まれ変わるという、気の遠くなるような時間がかかるとさ...
特集

国宝・多宝塔が見ていた中世(後)

足利尊氏といえば、あのざんばら髪の騎馬武者像を思い出す。鳥のヒナが生まれて初めて見た動くものを親だと思い込むというが、教室で初めて学習した際に、いったん刷り込まれた記憶もなかなか消えない。今では尊氏像として、等持院(とうじいん)の木像が教科...
特集

国宝・多宝塔が見ていた中世(前)

紀の国わかやま国体が26日、開会した。オープニングでは根来(ねごろ)鉄砲隊と雑賀(さいか)鉄砲衆が登場し、ドドーンとやったということだ。鉄砲隊は全国各地にあってイベントにひっぱりだこだが、紀州の鉄砲隊には、天下人と戦ったという誇りうる実績が...
明治

アクティブ・ラーニングで語る近代史

安倍首相の戦後70年談話は、ある意味、日本近代史の総括であった。要約すると次のようになろう。日本は、アジア最初の立憲政治という政治の近代化によって、帝国主義諸国から独立を守った。日露戦争での勝利は植民地支配のもとにあった人々を勇気づけた。第...
幕末

新撰組最盛期の聖地

「生活の党と山本太郎となかまたち」という訳が分からぬ、いや、考えようによっては実に分かりやすい名前の政党がある。今回の安保騒動で、山本太郎氏は喪服で数珠を手に一人牛歩で採決に臨み、抵抗する姿勢を身を以て表現した。焼香のしぐさもしたようだが、...
安土桃山

石山本願寺を支えた寺

我が国の宗派のうちで、史上最強は浄土真宗であろう。その門徒で構成される一向一揆は、加賀で守護大名を倒して「百姓の持ちたる国」をつくり、摂津大坂では石山本願寺を拠点に織田信長と激しく対立した。石山本願寺は、あの信長を相手に11年間がんばった。...