鎌倉

雨となった虎の涙

日本三大仇討ちとは、忠臣蔵、伊賀越、そして曽我兄弟である。うち最も古いのは曽我兄弟で、建久四年(1193)5月28日の出来事である。曽我十郎祐成(すけなり)と五郎時致(ときむね)の兄弟は、父の仇である工藤祐経(すけつね)を討ち果たした。兄弟...
戦国

空飛ぶ菅原道真

今年、太宰府天満宮の飛梅は1月9日に開花したそうだ。都から一夜にして大宰府に飛んだという「飛梅(とびうめ)」。その飛距離600km余り。時速100km程度か。推進力となったのは、道真公を慕う思いであった。念ずれば花開く、というより、飛んでい...
江戸後期

一億総活躍プランの先駆者

テレビドラマ「JIN‐仁‐」のタイトルからも分かるが、「医は仁術」である。人の命を救うことは即ち、最高の徳である「仁」を施すことである。とりわけ江戸後期の蘭学の隆盛は、我が国の医学の発展に多大な貢献があった。今日は、南方仁が迷い込んだ時代か...
戦国

河合氏が築いた城

カワイという地名は全国にあり、川と川との合流地点に位置している。地名として大きいのは奈良県の河合(かわい)町である。この町の川合(かわい)のあたりでは、大和川が曽我川などいくつかの川と合流している。駅では、JR青梅線に川井(かわい)駅がある...
平安

ゆくへも知らぬ恋の道かな

19日公開の広瀬すず主演『ちはやふる』が大コケだという情報がある。“壁ドン”がないからだとか、すずちゃんがどうのとか、好き勝手に言われているが、私は若い人が百人一首を知る好機となる優れた映画だと高く評価している。内容のよさが興行収入に直結し...
平安

物語紀行「安寿と厨子王」

「丹後七姫」という観光キャンペーンがある。乙姫、羽衣天女、間人(はしうど)皇后、小野小町、静御前、細川ガラシャ、これで六人だ。最後の一人は京丹後市観光協会と海の京都観光推進協議会とで、解釈が異なっている。京丹後市観光協会は川上摩須郎女(かわ...
神話

神の宿る島を望む

神社の境内に「伊勢神宮遥拝所」が置かれていることがある。「遥拝(ようはい)」とは遠くから拝むことで、遠く離れた場所からも伊勢神宮に拝礼できるのである。戦時中は宮城遥拝が全国各地のみならず日本の占領地でも行われていた。要するに、神聖なるものに...
平安

『ちはやふる』と竜田揚げ

今月19日に映画『ちはやふる』が公開される。千早役は飛ぶ鳥を落とす勢いの広瀬すずである。なんでも「上の句」と「下の句」の二部作だそうで、水がぬるんで花が咲き、詩心の湧きいづる季節、春に公開するところがにくらしい。千早が好きな札は、もちろん自...
安土桃山

シンギングサンドの浜に遊ぶ

何かする時、それに伴ってどんな音がするか、無意識に予想しているはずだ。砂浜を歩けば、ズッ、ズッ、砂浜を叩くと、バッ、バッ、と聞こえるだろう。ふつう叩かないが…。ところが、歩くと意外にもクッ、クッ、と高い音がしたり、叩けばバン、バン、と響いた...
神話

伊勢神宮はかつて伊勢になかった

伊勢神宮はなぜ伊勢にあるのか。伊勢にあるから伊勢神宮ですよ、という答えを求めてはいない。最高の格式を有する神社が、なぜ伊勢にあるのかを問うているのだ。天皇の本拠地は大和にあった。ならば、大和の神社が最高クラスに位置付けられるのが自然だろう。...