戦国

恩讐の彼方の鎌倉武士

梶原景時は武家社会成立の恩人である。なぜなら、源頼朝が石橋山合戦に敗れて「ししどの窟(いわや)」に隠れた時、平家方の梶原景時に見つかったが、景時がわざと見逃したからだ。おかげで頼朝は起死回生を果たし、鎌倉幕府を創設していく。このエピソードは...
江戸中期

万骨枯るる朝鮮出兵

秀吉の朝鮮出兵は、韓国ではしばしばドラマや映画になる。国を守った民族の英雄・李舜臣の活躍を描くためである。いっぽう日本では、秀吉政権の汚点であることからドラマ化されることはほとんどないが、2年前の大河『軍師官兵衛』では比較的詳しく扱っていた...
江戸後期

帆布が起こしたイノベーション

帆布は今やおしゃれなアイテムの素材の代表格になっている。トートバッグは丈夫でカジュアルしかも上品で、「倉敷帆布」や「一澤信三郎帆布」というブランドが人気のようだ。その帆布、もとは字面のとおり船の帆だった。日本の帆布は18世紀の末頃に革命的な...
江戸前期

天竺へ渡った貿易商人

インドへ自分探しの旅に出掛けるというが、本当に自分が見つかるのだろうか。見つかったとして、それは、どんな自分なのだろうか。そこまでして見つけねばならない自分とは何なのだろう。そんなふうに考えを巡らせることで、自分探しは始まる。インドには自分...
戦前戦中

飲酒年齢を25歳に!

酒の嗜みが分かるには、ある程度に歳を重ねる必要がある。若いうちは酔って訳が分からなくなることに面白さを感じるが、この歳になると酔うことで頭脳が明晰にさえなってくる。酒には覚醒作用があるらしい。だが、酒には中毒性があるのも事実で、依存症とまで...
戦後

かつて高砂線があった

「廃鉄」という趣味の一分野がある。鉄道ファン廃線派をいう。芸術重視の「撮り鉄」は美を追求し、技術重視の「車両鉄」はメカニズムに詳しく、本来の目的に忠実な「乗り鉄」は経常利益アップに貢献している。「廃鉄」は鉄道会社に直接利益をもたらしているわ...
平安

伊保の湊に千鳥鳴くなり

「千鳥」の話をするが、お笑いコンビではない。私も「千鳥足」なら体験的によく知っているが、そんな話でもない。千鳥の鳴き声が物悲しく聞こえる歌を、鑑賞しようというのである。高砂市伊保東1丁目に「大江嘉言(おおえのよしとき)歌碑」がある。昭和59...
平安

渚(なぎさ)、それは地域の誇り

生まれてこの方、水道水育ちで、井戸水を汲んだことがない。もっとも干拓地暮らしだから、どの家にも井戸がない。井戸でスイカを冷やしたとか、井戸の幽霊に肝を冷やしたとか、井戸のある生活をしたことがない。しかし、「紀行歴史遊学」では井戸を数多く紹介...
奈良

こよりが結ばれた巨石

巨石を目の前にすると圧倒される気分になるが、それは神を崇拝する心に似ている。なぜ、この巨石がここにあるのか。科学的には風化かもしれないし崩落かもしれない。そんな偶然を私たちは奇跡と呼んで崇めるのである。島根県邑智郡邑南町岩屋に「志都(しづ)...
南北朝

「天下墓」に眠るのは

足利将軍家で天寿を全うした人物は幾人いるのだろうか。殺害や夭折など尋常でない死のほか、働き盛りでの病死も多く、天下の将軍家にしては気の毒な終焉の人が多い。また、一族の内訌もたびたび起きている。なかでも南北朝期の「観応の擾乱(じょうらん)」と...