古墳

前方後円墳のライセンス

デザインの権利を保護する意匠制度は、明治21年公布の意匠条例に始まる。意匠登録第1号は、須永由兵衛(すながよしべえ)のテキスタイルデザイン「雲井織」であった。今や自動車、建築物からペットボトル、お菓子に至るまで様々な工業デザインが保護され、...
明治

治に居て乱を忘れず

都道府県持ち回り開催で二巡目が進行している国体は国スポと改称されたが、知事からは「廃止」の声も上がっている。莫大な費用をかけてインフラ整備をしたはいいが、その維持に困っているとか、国内最大のスポーツイベントでありながら、最高レベルの選手は他...
戦国

宇喜多氏の拠点を守った山城

海を陸に変えて岡山の穀倉地帯は生み出された。児島湾の干拓である。その嚆矢となったのが宇喜多開墾であり、その潮止堤防を宇喜多堤という。天正の昔に宇喜多秀家が行った。実際の指揮を執ったのは、高松城水攻めで築堤の実績があった岡豊前守利勝と千原九右...
戦国

備作国境を守る技巧的山城

周匝(すさい)は備作国境の要衝で、国道374号で南北へ通じ、国道484号で備前西部へと進入できる。水運が盛んだった吉井川の中流部に位置することも見逃してはならない。この周匝のシンボルが、吉井城山公園の模擬天守である。史実とは異なるものの、確...
江戸中期

空に眠る片桐池田家の殿様

男爵池田長康氏は『貴族院はどうなるか:貴族院改革試案大綱』(昭和十五年、大阪時事新報社)において、世襲議員や多額納税議員の廃止、会派解消など、当時の新体制運動に呼応して貴族院の改革を訴えた。議会開設当時には一定の意義を有していた制度が、今の...
大正

祝・酒津樋門完成百年!

真備大水害の悲劇を二度と繰り返すまいと急ぎ進められた小田川付け替え工事が完了し、3月27日に記念式典が執り行われた。バックウォーター現象の危険性を鑑み、被災前に工事計画もできていたのだが、自然の猛威は待ってくれなかった。今回、柳井原貯水池が...
戦後

世界最大規模の渦潮

うずまきナルトというキャラクター名は、ラーメンの具材に由来している。ラーメンにのるナルトは、ぐるぐる模様が鳴門の渦潮を思わせることによる。渦といえば「コリオリの力」を思い出す。台風が反時計回りになるというやつだ。具材のナルトには、渦の向きが...
源平

新緑のかずら橋と平家落人伝説

いやの~かずらばしゃ~ゆらゆ~らうおい~のごぜんみそ~という、懐かしいCMがある。私にとって祖谷のかずら橋の原体験なのだが、肝心の味噌をよく知らない。道の駅やJA直売所など各地の手作り味噌を買って、毎朝味噌汁をつくっているのに、分からないと...
弥生以前

裂けてつくれる変成岩

『土佐日記』の紀貫之は船で都に帰っているが、行きは陸路だったらしい。それは淡路島から阿波に渡り、讃岐、伊予へと進み、瀬戸内海、宇和海沿岸を下って、西から土佐へ入る急がば回れルートである。現代なら国道56号のイメージだ。比較的平坦なので歩きや...
弥生以前

春深き谷に流れる滝一条

黒土(こくど)といえば黒土地帯。ウクライナからシベリア西部に広がる肥沃な地域である。チェルノーゼムというロシア語も黒い土地という意味があるらしい。枯れた植物が堆積してできた黒い土なのだ。我が国にも黒土という地名が各地に存在する。青森県、新潟...