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忘れられた聖蹟(後)

聖蹟といえば,首都圏の方なら聖蹟桜ヶ丘が思い浮かぶだろう。ここは明治天皇ゆかりの地だ。発展に次ぐ発展を遂げる日本を導いた明治大帝の足跡は,聖蹟と呼ばれるに相応しい。昭和天皇はどうか。昭和天皇の聖蹟を訪ねてみよう。総社市窪木の長良山に石鎚神社...
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忘れられた聖蹟(前)

天皇陛下が御出でになると聞けば沿道には大勢の人々が参集する。小旗を持ちケータイを構え親しみを込めて手を振って奉迎する。国民との距離が近い現代の皇室の姿である。戦前には想像もつかなかったことだろう。聖上陛下の神々しい御英姿には,臣民は恐懼感激...
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400年後に貢献する皇帝(中国その三)

帝の墓に入るのは滅多な事ではできない。天皇家の墳墓なら参拝するのみだ。人民の国家,中国では皇帝の墓が観光地になっている。商魂たくましいのではなく,観光することで皇帝の偉大さ,国家権力の強大さを実感させる効果があるのだ。中華人民共和国昌平区十...
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17=9+9で縁起よし(中国その二)

9という数字は縁起がよい。中国の話だ。極陽数,つまり一桁の奇数のうち最大であることから,皇帝から民衆まで皆が愛した数字なのだ。今日紹介する橋も,9にまつわる名称が付けられている。中華人民共和国北京市海淀区新建宮門路にある頤和園に「十七孔橋」...
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頤和園の銅牛が見た歴史(中国その一)

水を治めるものは天下を制する。古来,治水は帝王の条件である。河は暴れる龍に喩えられた。それを如何に御し如何に利するか,人々は神に祈り知恵を出してきた。中華人民共和国北京市海淀区新建宮門路にある頤和園に「銅牛」が跪いている。頤和園は西太后が愛...
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ここにも青江の井戸が…(青江鍛冶・後)

吉備の刀剣といえば,東の長船,西の青江だ。長船は吉井川,青江は高梁川と地理的に似ているように思える。長船は知名度の高さもさることながら自治体のバックアップもあって,史跡や学習施設が整備されている。しかし,青江鍛冶を偲ぶ史跡は前編で紹介した倉...
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刀の青江とうなぎの青江(青江鍛冶・前)

日蓮聖人の守り刀「数珠丸」や幽霊を斬った「にっかり青江」など,備中青江派は数多くの名刀を残している。倉敷市祐安の住宅地から背後の山に入ったところに「青江の井戸」があり今でも水をたたえている。このあたりが青江鍛冶の遺跡だという。近くには「青江...
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小豆島の佐々木信胤(飽浦信胤・下)

軍記物はおもしろい。単なる記録ではなく,語って聞かせることを前提としているので,波瀾万丈の展開に構成されている。それゆえ,どこまでが史実なのか訝しげな部分も多い。香川県小豆郡小豆島町中山に,環境省の名水百選に選定されている「湯舟の水」が湧く...
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さそふ嵐に散りもこそすれ(飽浦信胤・中)

武将が味方を裏切るのには相当の事情がある。生死を左右する重大な決断である。これから話をするのは,恋ゆえに北朝から南朝に走った武将,飽浦信胤(あくらのぶたね)の物語である。岡山市の飽浦(あくら)と郡(こおり)の境に「高山城跡」がある。案内の標...
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名乗ることは守ること(飽浦信胤・上)

中世の武士は本貫地を名字として名乗った。一所懸命の武士にとって土地は命がけで守るものであった。土地の名を名乗ることは誇りでもあっただろう。岡山市郡(こおり)に「飽浦(あくら)三郎右衛門の墓」がある。郡という地名は,古代の児島郡の中心地であっ...