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パワースポット(橘逸勢・上)

三筆の一人として名高く,留学先の唐の文人から「橘秀才」とまで呼ばれた橘逸勢。彼は,死後,怨霊となった。彼がそうなったのは,冤罪事件によって配流され,結果として死に追いやられたからである。そして,その死にまつわるエピソードが後世の人の心を動か...
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小さな城の春(あまのさすけ・後)

桜の樹の下には…,梶井基次郎には解った。あの桜の美しさは尋常ではない。昼に見上げると眩しいほどに輝き,夜にライトアップされると妖しいまでに浮かび上がる。有名な場所だけでなく,街の公園,村の鎮守など,そこここで宴会が開かれている。桜の秘密に気...
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海上を歩んだ馬の墓(あまのさすけ・前)

兵士は船で海を渡ったが,将軍は馬に乗ったまま海面を歩む。物語にリアリティは不可欠だが,荒唐無稽な話もないと面白みに欠ける。事実から最も遠い創造力の産物が実際の地図上に置かれた途端に,それは伝説と呼ばれるようになる。瀬戸内市長船町土師に「馬塚...
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足の神様となった戦国武将(八浜合戦・下)

信ずる者は救われる。信仰とはそういうものだ。信仰に科学はいらない。だが,由緒はあったほうがよい。歴史の持つ重みは一朝一夕には生じないからだ。玉野市八浜町大崎に「與太郎(よたろう)神社」がある。この神社は、足の神様として現在も多くの方の信仰を...
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毛利VS織田の最前線(八浜合戦・中)

史跡の中でも古戦場は想像力を必要とする。なぜ、この場が決戦場となったのか。兵はどの方向から激突したのか。そして、それはTVドラマの合戦シーンと同じなのか。玉野市八浜町八浜の両児山公園に「八濱城址」と刻まれた石碑がある。一般には両児山城と呼ば...
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謎の前哨戦、麦飯山の戦い(八浜合戦・上)

遠くから見ると“にぎり飯”のように見える山、だから麦飯山(むぎいざん)という。(河井康夫『玉野の地名と由来』より)なるほど三角形をしているが、それほど美味しそうな姿ではない。それよりも、麦粒のように二つの山があるから麦飯山ではなかろうか。い...
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世界の中心で跪(ひざまず)く(中国その七)

クエイ! イーコウ,アルコウ,サンコウ… ひれ伏せ臣下どもっ! 映画かパソコンの中でしかありえそうにないことが現実だったことを理解した。これだけ巨大な権力装置を構築されたら何人もひれ伏さざるを得ない。三跪九叩頭の礼はこの場所にこそ相応しい。...
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祝・中華人民共和国建国60周年(中国その六)

中華人民共和国中央人民政府今天成立了!と毛沢東が宣言してから60年になった。中華人民共和国北京市東城区に「天安門」がある。今夏に訪れた時には久しぶりの化粧直しで足場が組まれていた。10月1日の記念式典に向けて念入りに作業が行われていたはずだ...
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天を祀る天子(中国その五)

天高く…の季節になった。天を仰ぐと自分の小ささに気付く。おそらくは帝であってもそうであったろう。天子である帝が天の子として天帝を祀ることは,とりわけ重要な祭祀である。その遺跡が中国では世界遺産となっている。中華人民共和国北京市崇文区に「天壇...
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月から見える万里の長城(中国その四)

万里の長城が本当に月から見えるかどうかは知らない。しかし,誇大広告であっても,そう思わせるだけのスケールはある。夏だったので遠くが霞んで見えなかった。どこまで続くのかと,現地案内をしてくれた方に聞いたが,困った顔をして説明できないと言われた...