源平

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霊験あらたかな弁慶の母

武蔵坊弁慶の生涯は,出生から義経との出会い,奥州への逃避行とその死に至るまで,聞く者みなが惹きこまれる物語で彩られている。しかし,実のところはほとんど中世の説話による伝説であり,事実を知ることは困難である。姫路市夢前町玉田の北野神社に「弁慶...
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芸者ガール発祥の地?

静御前の悲話は,日本人の心の琴線に触れる。しかし,彼女が登場する史料は『吾妻鏡』のみであり,今に伝わる伝説の多くは『義経記』以来の想像の産物だという。東かがわ市大谷に「静御前姿見の井戸」がある。すぐ近くに「姿明神」という小さな祠もある。人が...
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平重盛を偲ぶ寺

小松内府,平重盛は平氏一門の中でも好意的な描写をされる人物である。父清盛に先立って亡くなることなかりせば,平氏の運命やいかに…などと思わせる。福山市の鞆の浦の寺町に小松寺がある。臨済宗妙心寺派の寺院である。ここに「平重盛卿の墓」と伝えられる...
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平家「瀬尾最期」の舞台

木曽義仲をして「一騎当千のつわもの」と言わしめた男,妹尾(瀬尾)太郎兼康の話をしたい。義仲と戦い,一度は捕虜となるも逃亡して,さらに奮戦,最後は覚悟の討死をした平家方の武将である。その様子は『平家物語』巻第八「瀬尾最期」に詳しく描かれている...
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平清盛と吉備高原

平清盛の供養塔は京都や明石に存在し,いかにもそうだろうと納得させてくれる。ところが,彼の活躍の舞台からやや離れた吉備高原の山中にも,清盛のものと伝えられる供養塔がある。岡山県の吉備中央町湯山に清水寺という天台宗の寺院がある。「せいすいじ」と...
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数の時代

三十三間堂には一千一体の千手観音がおわす。一体の観音は三十三身に変化して衆生を救うというから,その数は三万三千三十三となる。救いの手は,そこここに伸べられていたのだ。三十三間堂の名で知られているが正式には蓮華王院といい,後白河上皇の院政庁で...