源平

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今も昔も先陣争い

何事もそうだが一番最初であることは高く評価される。今で言えば商品開発。スマートフォンのように高度な技術を伴うものは別にしても、食べるラー油くらいなら考えつきそうなものだ。ブームを読むなどタイミングを計ることも大切なのだろう。なにせ、平和日本...
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老将の最期

老将といえばラファイエットを思い出す。アメリカ独立戦争、フランス革命で活躍し、1830年の7月革命でも指導者として登場する。私が手にしていた本では、7月革命時には「老ラファイエット」であった。そんな表現があるのか、と白髪をふりみだして奔走す...
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水を盗むのだから

源頼朝に父義朝の髑髏を示して挙兵を迫る。仏に仕える身にして豪胆無比。恋愛に殺人。物語性を備えた人物像は人をして魅了せずにはおかない。その豪僧の名は文覚である。兵庫県揖保郡太子町原の福井大池のほとりに「文覚上人腰掛石」がある。濃厚なキャラの文...
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武者の姿と松の巨木

「王城一の強弓精兵なりければ、能登殿の矢先に廻る者、一人も射落とせれずと云ふ事なし」『平家物語』巻第十一「嗣信最期の事」にこのように記された能登殿とは、平家の豪腕、能登守教経である。文弱に描かれやすい平家の公達の中では、文字通り源氏に一矢を...
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武士の意地、妻の想い

人が歴史に求めるものは、史実ではなくロマンである。その代表例が「源義経」で英雄不死伝説へ発展していくのだが、それは平家の武将にも見ることができる。『平家物語』のヒーロー、ヒロインが山里を歴史の舞台へ引き上げてくれている。 福山市沼隈町大字中...
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禁忌としての白色

合理性ばかりで割り切れないところに民俗学の面白さがある。忌避せねばならない行動には、なぜそうなったかという、もっともらしい理由が付随している。いや、もっともな理由があったのかもしれないが、落武者の悲話などと結びつくと妙な説得力が生じてくる。...
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地方繁栄の端緒となった別荘

別荘を持つことは一つのステータスであり庶民の夢である。昔だってそうだったろう。下級貴族であっても,チャンスさえあれば上昇気流に乗って,地位や名誉に財産を手に入れたいと考えていたに違いない。尼崎市杭瀬寺島2丁目に「寺江亭阯傳説地」の標柱があり...
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早めに別れさせられた静御前

「いかに静,このたび思はずも落人となり落ちくだるところに,これまではるばる来りたるこころざし,かへすがへすも神妙なり。さりながら,はるばるの波濤をしのぎくだらん事しかるべからず。まづこのたびは都にのぼり時節を待ちさふらへ」(ああ静よ,このた...
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義経,終わりの始まり

勢いのあるうちに選挙を,とは現代の政治家が言っていることだが,確かに調子のよい時には結果もついてくる。逆もまた然りで,まさに泣きっ面に蜂,下り坂を転がる石のように落ちていく。源義経の人生はそのようなものだ。非凡だからドラマになるのだ。屋島の...
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お子さま義経の悲劇

「敵は海での戦に慣れたる平家。我が軍船には艫(とも)のみならず舳先(へさき)にも櫓をつけ,進退を自在にしておくことがよかろうと」「なにっ,最初から逃げる用意をしておくというのか。お前たちの船はそうするがよい。俺の船はもとの櫓でかまわぬ」「大...