源平

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斎藤別当にて候ひけるぞや

「むざんやな甲(かぶと)の下のきりぎりす」という芭蕉の句があるが、キリギリスが重い兜に押しつぶされたのかと思っていた。ちがう。兜の下でコオロギが鳴いているのだ。その兜とは…。調べると、そこには諸行無常の世界が広がっていた。「甲」は『平家物語...
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須磨で呑むこそ濁り酒なれ

源平合戦で平家は負けるばかりのイメージがあるが、平家勢が勝利した戦いに「水島の戦い」がある。その指揮官が本日の主人公、平清盛の五男重衡(しげひら)である。その勝利から4か月、重衡の命運が尽きる。神戸市須磨区須磨寺町一丁目に「平重衡とらわれの...
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芭蕉が語る源平合戦

自己責任だと簡単に言うが、自分ではどうすることもできない運命に翻弄される人生は確かにある。その人の立場とか偶然の出来事とかに左右されることも実際多い。とりわけ天皇という立場は特別で、単なる畏敬の念からだけではなく、そのご労苦に頭が下がる思い...
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下天のうちを比ぶれば

今日11月7日、ロシア革命(十月革命)からちょうど百年を迎えた。この革命は漆黒の闇を照らす光明であり、闇そのものでもあった。二十世紀は良くも悪くも社会主義の時代であったといえよう。革命の意義は本場ロシアにおいても未だに定まっていない。その評...
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伝説の名馬、誕生の地

競馬はしたことがないが、大井競馬場では毎年秋に「池月・磨墨賞競走」というレースがあるらしい。この「池月(いけづき)」と「磨墨(するすみ)」は日本史を代表する名馬の名前だ。源平合戦の名場面の一つ「宇治川の先陣争い」に登場するが、競馬のように陸...
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勝利の神様、ここに降臨!

日本の三大神さまは、お稲荷さんと八幡さんと天神さんである。人生には神様への頼みごとが多いが、仕事系はお稲荷さんへ、スポーツ系は八幡さんへ、文化系は天神さんにお願いするとよい。本日はグラチャンバレー女子が行われていることもあり、八幡さんについ...
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頼朝の支えとなった血の絆

九郎判官(くろうほうがん)とは、源義経のことである。義経は義朝の九男であった。義朝の長男は義平、平治の乱で敗れた後に処刑。次男は朝長、平治の乱に敗れた後に自害(あるいは父により刺殺)。三男は頼朝、鎌倉幕府を開く。四男は義門、平治の乱後に戦死...
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岩に残るひづめの痕跡

座るのにちょうどよい石があれば、貴人が腰掛けた「腰掛石」と呼ばれる。「菅公腰掛石」「文覚上人腰掛石」「宮本武蔵腰掛石」のように。同じく、馬の蹄(ひづめ)の形の穴が開いていれば、貴人の馬が蹴った「馬蹄石」と呼ばれる。聖徳太子ゆかりの「馬蹄岩」...
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神様になった腰掛石

ブログ開設以来のアクセス数が23万を突破しました。これもひとえに皆様のおかげと感謝しております。今後ともご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。過日、瀬戸大橋を電車で渡った折に、陽光にきらめく海原を眺めていると、瀬戸内海は巨大な交通路だと実...
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涙にくれて道見えず(妹尾兼康の場合)

岡山の人なら誰もが知る「妹尾」は、全国的には難読の地名とされているそうだ。「せのお」と読む。「妹背(いもせ)」という古語は、妹と兄を意味しており、「いも」は妹、「せ」は兄である。「兄」である「せ」が、岡山では「妹」になっている。古典の『とり...