源平

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平教経の矢じりを巡る事件

お正月にNetflixで『オスマン帝国:皇帝たちの夜明け』というドキュメンタリー風のドラマを観た。ビザンツ最後の皇帝コンスタンティノス11世は、兵士を鼓舞する演説を行い、最後の突撃を敢行して死んでいった。これが千年の帝国の終焉かと思うと、胸...
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加東を駆けぬけた義経の伝承

「義経が大陸に渡ってジンギスカンになった」は歴史における代表的なトンデモ説である。この説は小谷部全一郎の著作により、我が国の大陸進出と軌を一にして広く知られるようになった。その小谷部は昭和十年発行の『義経と満州』において、次のように述べてい...
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白き狼が教えてくれた温泉と銘酒

酒は古くなると酢になるという迷信を信じていた。この世に「古酒」があるのを知ったのは、三朝温泉の藤井酒造という造り酒屋に立ち寄ったときのことである。その折、私は試飲できなかったが熟成香に興味があったので、迷うことなく買って帰った。いや実は少し...
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安徳天皇御陵墓(伯耆中津編)

天皇名で「徳」の字の付く方は、懿徳・仁徳・孝徳・称徳・文徳・崇徳・安徳・順徳の8名で、後鳥羽院も初めは顕徳の諡号を贈られたらしい。懿徳天皇は実在が不確かだが、仁徳天皇は民家のかまどから煙が立ち上らないのを見て税を免除したという徳の高い天皇で...
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智者の千慮一失あり

竜宮城の乙姫さまと聞けば、菜々緒がやってるCM、au三太郎シリーズを思い出す。あの目ヂカラにはちょっとかなわない。浦島太郎に桃太郎そして金太郎と、みんな同世代の仲良しだったのか。かぐや姫も織姫もいて、なんだか楽しそうだな。こんなCMを見てい...
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源範頼も生きていた!

生存伝説ほど面白いものはない。死んだはずの人が生きているのだから、驚くと同時におめでたいことでもある。話としては面白いが、実際には空想の産物に過ぎないようだ。西郷隆盛、大塩平八郎、明智光秀、安徳天皇、そしてスケールの大きさで有名なのが源義経...
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安徳天皇ゆかりの幻の滝

天皇陛下が伊勢神宮へ参拝されたというニュースで、お付きの職員二人がそれぞれに黒い箱を捧げ持つのを見たことがある。一つは長い箱でもう一つは肩幅くらいの箱。どちらも首にかけるベルトが付いているから、ずいぶん大切そうに見える。それもそのはず、これ...
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花やこよひの主ならまし

無賃乗車という犯罪を「薩摩守」と言ったそうだ。どう言い換えようがダメなものはやっぱりダメなのだが、実は『平家物語』に登場する人物ゆかりの風流な言葉なのである。どのようないわれがあるのだろうか。明石市大蔵天神町のJR神戸線の下に「両馬川(りょ...
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源平屋島電撃戦の前後

向かう先に立ちはだかる大きな壁。WCサッカーでは日本にとってベルギーが壁となったし、人生だって壁にぶつかることがある。つか、ぶつかってばかりだ。壁を越えて視界に入ったゴールほど、人のモチベーションを高めるものはない。ハンニバルはアルプスを越...
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鉄を食べた弁慶の母

武蔵坊弁慶の三大出生地は、和歌山県田辺市、三重県紀宝町鮒田、そして島根県松江市長海町である。同じ人物が三か所で生まれるわけがないが、それぞれに伝承が存在する。もっとも有名なのは、駅前に銅像がある田辺市だ。「弁慶生誕地の碑」や「弁慶産湯の井戸...