江戸後期

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近代合理主義の先駆者

大阪府が主催する国際文化賞に「山片蟠桃賞」がある。第24回の受賞者はピーター・コーニッキー氏というケンブリッジ大学の教授である。江戸時代の書籍文化に詳しい方のようだ。日本人でさえ知らないことが多いのに、誠に立派な英国人であることよ、と敬服す...
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父の愛情と景勝の地

うちの近くに「汐見(しおみ)橋」というのがあった。なんでも昔は海が見えたので、そう呼んだらしい。今は干拓によって海は遥か彼方になった。海の見える風景は山の見える風景と同等ではない。海はどこまでも続いている。果てのない風景なのだ。高砂市竜山一...
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四方先生、大山を吟ず

物事に長所、短所はつきものだが、長所なり都合の良いところを組み合わせると、けっこう優れものになる。このところ急成長しているタブレットは、ノートPCとスマホのいいとこどりスペシャルだ。江戸時代中期に盛んだった儒学の一派に折衷学派がある。古学、...
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先生の墓石いよいよ小なり

つくばみらい市という平成の大合併で誕生した自治体がある。ひらがなで6文字の雰囲気重視の珍しい市名である。この市の商工会が毎年10月に開催する商工祭では「林蔵鍋」という大鍋料理がある。味噌ベースで豚肉や鮭のほか野菜たっぷりのおいしい鍋だそうだ...
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15歳の少年を描いた絵馬

吉川弘文館のシリーズ『敗者の日本史』が面白い。皇位をうかがったという道鏡を扱った巻が最近発売された。道鏡は勝者から見事に敗者に転落した典型的な人物である。しかし前回の配本のテーマである赤穂事件では、誰が勝者だったのか。そして敗者は誰だったの...
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食べることのできる幸せ

冷害として今だ忘れられないのは平成5年の大凶作である。うちもスーパーでタイ米を買ったが、炊いても日本米のようにふっくらとならず、食べるのに困ったものだ。おそらくは江戸時代なら飢饉となっていたのではないか。その江戸時代の飢饉のうち、天保の飢饉...
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辣腕老中ここに眠る

水野忠邦といえばビッグネームだ。結城の観光パンフレットで彼の墓所を見つけると、本日の史跡巡りのゴールと定めた。JR結城駅北側の古寺や城跡を探訪した後、市南部の山川を目指して自転車を南に向け、県道結城岩居線を順調に進んでいるとパンクした。駅近...
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聡明で俊敏なお殿さま

「聡明」や「俊敏」は人への形容としては最高レベルだろう。だから、そのように育ってほしいと願い、親は子どもの名前にその文字を用いる。自分の名前に聡明俊敏の4文字がない諸氏も、この神社にお参りすれば、今まで隠れていた能力が発現すること間違いなし...
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古墳に似て非なるパワースポット

こんもりとして形が整った丘であれば誰でも古墳だと思うだろう。山でさえ四角錐になっていれば日本のピラミッドとミステリー扱いされるくらいだ。今日は埼玉県にある古墳ではない古い塚の話である。埼玉県比企郡小川町大字上横田に「行人塚塚群」がある。つい...
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エキゾチックなひょうたん島

地上の楽園というキャッチフレーズは政治的にイメージがよくないが、字義のみ理解するなら、ぜひ行ってみたいものだ。手元のパンフレットには「すぐそこの、楽園島」だとか「東京都亜熱帯区」の文字が躍る。八丈島で末吉温泉みはらしの湯に浸かって太平洋を眺...