戦前戦中

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戦時中に架けられたコンクリート橋

大学の長距離の先輩がランニングの目標を「中原橋」とか「大原橋」とか言っていた。どれくらいあるのかと思ったら、中原橋までけっこうな距離だ。大原橋はもっともっと遠い。中原橋は桁橋でそっけないが、大原橋は重厚なランドマークだから走る目標にふさわし...
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おれはこれから日名倉の木戸へ行く

遅刻すると人の信用を失いかねないが、勝負には勝てるのかもしれない。宮本武蔵の教訓である。生死を分ける闘いなのだから、手段を選ぶ必要はないのだろう。それでもやはり、いざという時にこそ遅刻はしないほうがよい。美作市後山に「宮本武蔵 山牢跡」があ...
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岡山県中山間地域棚田二選

美しい景観をつくろうという意図はなく、生活上の必要に迫られて努力してきたことが、結果的に美観として評価されている。棚田はその典型例だろう。評価してもらおうと仕事を頑張るのではなく、目の前の課題に一つ一つ真摯に向き合ってきた結果を認められたら...
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失われた塔を求めて

失われた塔に浪漫を感ずるのは私だけではなかろう。世界的に有名なのはバベルの塔だが、実在とまでは言い難いようだ。それでもマニアックなことに、ブリューゲルの名画を元に塔の高さを計算すると510mになったという。『ブリューゲルへの招待』朝日新聞出...
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濁流は滔々として流れ

今月3日午前10時半ごろ発生した熱海土石流はその衝撃的な映像がテレビで繰り返し流され、私たちが災害列島に住んでいることを目の当たりにさせられた。安否不明者は当初約20人と伝えられていたが、なかなか確定に至らなかった。それほど人の把握は難しい...
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満州某重大事件の真相

日本を敗戦へと導いてしまった昭和天皇が戦後、後悔の念を吐露したのが張作霖爆殺事件であった。田島道治宮内庁長官の「拝謁記」によれば、「考へれば下剋上を早く根絶しなかったからだ。田中内閣の時ニ張作霖爆死を厳罰ニすればよかつたのだ。あの時ハ軍でも...
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非常時財政を双肩に担う

桜内義雄という外務大臣を憶えている。チェリー発言ばかりが面白おかしく伝えられているが、国連で核軍縮を強く訴えるなど平和外交に徹した人であった。明治生まれ最後の国会議員の一人(もう一人は原健三郎)でもあった。月山富田城を散策していると、その桜...
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満州事変、国難時のリーダー

突発した国難に際して首相がどのような対応をするのか、歴史が厳しい目を注いでいる。コロナ禍の安倍首相、東日本大震災の菅首相、えひめ丸事故の森首相、阪神大震災の村山首相。突然到来した危機に困惑し、判断に迷ってうろたえたことだろう。もちろんリーダ...
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弔・真珠湾攻撃80年

コロナ禍という未曽有の危局にあって、神仏への信仰心がますます篤くなり、家内安全、商売繁盛、心願成就と並んで「病魔退散」を求める祈りが高まっている。予言獣アマビエがお札やお守りに描かれ、手にする人々の心の安寧に一役買っている。もはや妖怪ではな...
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海賊を退治した香川の桃太郎

桃の生産量ランキング(平成29年)は、1位山梨県、2位福島県でこの2県がずば抜けている。3位長野県、4位和歌山県、5位山形県、6位岡山県でこの4県が中堅クラス、7位新潟県、8位香川県と続くが、全国に占める割合はわずかだ。このうち量より質で勝...