平安

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待てば海路の日和あり

これまで「腰掛石」は何度も紹介してきたが、今回のものほどよく出来たものはない。ふつうは高さがいい感じの座りやすい石である。しかも石だけである。ところが今回のはどうだ。紙垂(しで)に囲まれて清浄な空間、結界が作られている。しかも座布団が用意さ...
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鎌倉仏教の先駆者

今年は高野山開創1200年、つまり空海が高野山に金剛峰寺を開いてから1200年となる。空海がすごいのは、「即身成仏」という考えを広めたことである。その頃、悟りを開いて仏となるには、何代も生まれ変わるという、気の遠くなるような時間がかかるとさ...
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晴れた日は巨大滝を見に

夏は滝。梅雨明けにはさらなり。水量が多くなって、豪快な流れを見ることができる。以前に徳島県神山町の雨乞の滝をレポートした。この時の滝見物は、雨乞いをしていないのに雨が降って大変だった。今日紹介する滝は雨が降っていないのに濡れてしまう。水しぶ...
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常陸きっての名族、大掾氏

「府中」という地名は各地にある。市は東京都と広島県にあり、広島県には町もある。かつては村もいくつかあったようだ。さらに遡ると、対馬市と石岡市に府中藩があった。いずれも国府があったことに由来している。さて、今回紹介するのは茨城県石岡市。やはり...
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東西両帝お后物語

いつのまにか11万アクセスを超えていました。これも皆様のご愛読のおかげと、心より感謝申し上げます。今後も鋭意努力してまいりますので、歴史散策のお供としていただけたら幸いです。朱雀天皇の御製に「ひとりねに ありし昔の おもほえて 猶なき床を ...
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平国香ゆかりの地

名優佐野浅夫の代表作は『水戸黄門』だと思われているし、事実そうなのだが、私にとっては『風と雲と虹と』である。生まれたばかりの鳥が最初に見たものを親と勘違いするのと同じように、私は平将門の『風と雲と虹と』で大河デビューしたので、加藤剛も山口崇...
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強者の望むところなり

歌舞伎十八番に『暫(しばらく)』がある。そのヒーローは特異な髪型をしている。私は蟹の変化した姿かと思った。頭の横から5本の足が出ているのである。それは蟹ではなかった。「五本車鬢(ごほんくるまびん)」という荒事で使用される鬘(かつら)であった...
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水を得たる竜の住む場所

親戚の叔父さんはお正月に行くとお年玉をくださる有難い存在である。私は両親ともに兄弟が多かったので、いろんな意味で大変お世話になった。お正月は血の絆を確かめ合う良い機会である。だが、親戚といえどもこじれると骨肉の争いとなることがある。今回は叔...
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天神信仰の関東進出

「日本三天神」は三つの神社にとどまらず、様々な組合せがあるから面白い。講談社+α文庫『雑学・日本なんでも三大ランキング』に掲載れているのは、北野天満宮、防府天満宮、太宰府天満宮である。朝日新聞出版『とっさの日本語便利帳』では、北野天神(北野...
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真説・平将門墓所

京の東市で晒された将門の首は「われに失われた四肢を与えよ、さらば一戦を試みん」と歯噛みしたという。そりゃそうだ。クビになっては何もできないのは勤め人ならよく分かる。我に適度な仕事と時間とカネを与えよ、さらば一戦を試みん。将門の首は3日目に胴...