平安

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走り出したら止まらないぜ

武士の棟梁といえば、賜姓皇族の源氏と平氏である。源氏のうち武門として最も栄えたのは清和源氏であり、清和源氏のうち最も栄えたのは河内源氏であった。その河内源氏こそ、後世の武家社会において憧憬の的となった名門中の名門である。大阪府南河内郡太子町...
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慈愛深い皇后陛下

皇后陛下は国母陛下とも呼ばれ、慈母、いつくしみ深い母親のイメージがある。今月11日には都内の美術館を訪れ、ねむの木学園の美術展を鑑賞された。どのような時も笑顔を絶やさず御公務に臨んでおられるのは、それが国民の励みになると願われてのことだ。申...
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さんさ坂本室家の娘

「百夜通えば、つきあってあげる」そんな小町の戯言(ざれごと)を真に受けた深草少将(ふかくさのしょうしょう)は一途(いちず)な男であった。よく知られた伝説では、九十九夜通ったものの最後の晩に息絶えたとされている。今日紹介するのは別の展開で、ス...
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南海道第一の難所

古道の魅力は、そこを数多の人々が歩んだことにある。熊野参詣に貴人の一行が列をなし、租税を納める庶民が京へ上り、平曲を語る琵琶法師が地方へ下った道である。人は移動する時、向かう場所への思いを抱いている。数多の思いが通った場所だ。通りきれず留ま...
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高僧のつくった道の駅

坂道を登りながら、こう考えた。人生の坂道には上り坂と下り坂ともう一つ、「まさか」というのがあるという。まさかでまっさかさまではシャレにもならぬが、日頃からの用心に越したことはない。ただ、困っている時に助け人はあるものだ。坂道の途中には旅人の...
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空飛ぶ鉢、疾走する童子、優しい姉

『信貴山縁起絵巻』は絵巻物の白眉である。特に長者の倉が鉢とともに飛び去るのを大騒ぎで追いかける場面は躍動感あふれる傑作である。もう一つ挙げるとすれば、国宝シリーズとして切手の図案に採用された護法童子、輪宝を転がしながら空中を疾走する有名な場...
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受験の神様、無実を祈る

菅原道真公の腰かけた石はうちの近くにもあるくらいだから、けっこう各地にあるのだろう。すべて本当に菅公がお座りになったのなら、水戸黄門もびっくりの行動力である。だから、菅公腰掛石には本当に座ったのかという疑念は常につきまとう。今日紹介する石は...
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心とむなと思ふばかりぞ

日本史上、遊女がどれほど多くいたのか分からないくらいだが、名前を残すことはほとんどない。儚いといえば、儚い。しかし、懸命に生きた姿でもある。一面的な見方では捉えきれるものではない。一夜の宿を断られた西行法師がなじって詠んだ歌に、煩悩を捨てき...
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白蛇を逃がしてやった川

出雲を流れる斐伊川の氾濫がヤマタノオロチ(八岐大蛇)のイメージを形成したという。木曾地方で「蛇抜け」といえば山津波のことである。ヘビは災害と関連付けられることが多いのだろうか。今日は「蛇」にちなむ川のお話である。ただ、河川の蛇行ではない。下...
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菅原道真の鮮やかな演出

サッカーJ2、ファジアーノ岡山のホームは「kankoスタジアム」という。以前は岡山らしく桃太郎スタジアム、モモスタと呼んでいたが、岡山県がネーミングライツを公募し、尾崎商事株式会社が年間1千万円で平成27年まで権利を取得している。尾崎商事と...