平安

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この世に出現した極楽

三界は安きことなし、なお火宅の如し。衆苦充満して、甚だ怖畏すべし。常に生老病死の憂患あり。妙法蓮華経譬喩品第三の一節である。火宅とは実に言い得て妙で、私もまた先人と同じく燃え上がる炎を前に、「どうしよう、どうしよう」と右往左往するばかりだ。...
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古代山陽道の駅家二選

道の駅という便利な施設が各地にあり、旅行者が休憩したりお土産を買ったりと、思い出をつくっている。古代にも道の駅があったが、お偉いさんの公務で使われ、乗り継ぎ用の馬が飼育されていた。馬で書類や物資を運ぶ仕組みを駅伝制といい、東京箱根間でタスキ...
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祝・智証大師円珍関係文書典籍「世界の記憶」登録!

今年5月24日、UNESCOが「智証大師円珍関係文書典籍ー日本・中国の文化交流史ー」を「Memory of the World(世界の記憶)」に登録することを決定した。円珍は第5代天台座主で、三井寺を本山とする天台寺門宗の祖である。いったい...
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小式部内侍は腰痛の神様

興味深いことに、聖徳太子ゆかりの寺が二つないし三つある。一つは606年創建で太子町鵤(いかるが)にある斑鳩寺(いかるがでら)、もう一つは589年創建で加古川市加古川町北在家にある鶴林寺。どちらも今も多くの信者、観光客が訪れる名刹である。さら...
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駅長、驚くなかれ。時の変わり改まるを。

近年は「駅長」をネコやイヌ、あるいはウサギが務めるケースが増えてきたが、今でも大きな駅では人間の駅長がその重責を果たしている。駅といえば鉄道の駅であり、平成になって「道の駅」が登場した時には、どことなく違和感を覚えたものだ。しかし、古代の幹...
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山から下ろされた小町の墓

考えてみれば小野小町ほど魅力的な人物はいない。その魅力は『古今和歌集』仮名序における人物評(紀貫之)で言い尽くされているといって過言ではなかろう。小野小町はいにしへの衣通姫(そとほりひめ)の流なり。あはれなるやうにて強からず、いはゞよき女の...
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地名に残る山上伽藍

比叡山に一度だけ登ったことがある。こんな山上にお寺を開こうとは、常人なら思い付かないだろう。延暦寺は麓の日吉大社を守護神としており、かつては寺院と神社の境界はあいまいだった。玉野市田井四丁目と五丁目、八浜町八浜の境あたりに三等三角点「三皇」...
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美女になった大蛇が棲む淵

有名な陰陽師安倍晴明のお母さんはキツネである。んなわけねえだろとツッコみたくなるところを上手に物語化したのが「信太妻」である。母ちゃんいなかったら、さみしいよなぁ。小さい頃に本で読み、歌の書かれた障子の挿絵は今も思い出すことができる。「恋し...
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祝・今高野山開基1200年!

今太閤といえば田中角栄元首相だが、菅義偉前首相も一瞬そのように呼ばれた。たたき上げの苦労人ながら位人臣を極めた二人である。「今太閤」とは現代の豊臣秀吉のこと。この「今」は、過去に対する今を意味する。広島県に今高野山という霊場がある。和歌山県...
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祝・ジャコビニ彗星の日50年!

今日10月9日は「ジャコビニ彗星の日」から50年の記念日である。当時のようすを松任谷由実さんの曲で知ることができる。この日は大流星雨が出現するらしいと盛り上がり、人々はこぞって空を見上げた。軌道計算の結果、日本やシベリア上空の出現率が高いと...