幕末

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平安から幕末を旅した法師

歴史における象徴の問題を考えたい。何やら歴史哲学が論じられそうだが、私はその任に堪えられないので、自分の言葉で話そう。前記事の平等院鳳凰堂が当時の浄土信仰を象徴するように、歴史的事象を理解してもらうには、視覚化するなり平易な文句に置き換える...
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3日で終わった討幕の先駆

世直しといっても、まつりごとを私する奸物を除くのは「改革」だが、権力そのものを否定するのは「革命」である。そういう意味では桜田門外の変と天誅組の変・生野の変は指向の異なる動きである。今回は生野の変を取り上げるが、これは幕政改革を目指したもの...
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明治維新の起点

大沢たかお主演『桜田門外ノ変』を見に行った。スケールの大きな、よくできた映画だと思う。井伊大老襲撃のシーンは圧巻であり、こちらも身構えてしまうほどだ。今日はその関連史跡をレポートする。 港区愛宕一丁目の愛宕神社境内に「櫻田烈士愛宕山遺蹟碑」...
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残念さん

幕末の歴史には,公武合体派(保守=現実派)VS尊王攘夷派(革新=理想派)という局面があった。具体的には,会津藩・薩摩藩VS長州藩との構図で起きた八月十八日の政変(文久三年=1863)と1年後の禁門の変である。この時は公武合体派の勝利,つまり...
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岡山藩が守った大坂

時は文久3年。孝明天皇が将軍家茂を従えて下賀茂神社に行幸し攘夷を祈願した。長州藩はアメリカ,フランスの商戦を砲撃し,しばらく後に軍艦からの逆襲を受けた。薩摩藩にはイギリス艦隊が来襲し城下に火の手が上がった。攘夷と報復の嵐が吹き荒れ,対外的な...
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幕末の名老中ここに眠る

江戸幕府は集団指導体制であった。将軍や大老ではなく,4~5人いた老中の役割に注目したい。個人のリーダーシップが優れている場合も魅力的だが,合議により進む政治も安定感があってよい。豊島区巣鴨5丁目の本妙寺に譜代大名・久世氏の墓地がある。久世氏...
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蘭癖老中が読んだ時代の流れ

歴史の上で日本に危機は何度もあったが,ペリー来航に伴う政治状況の激変は,有数の国難といえるだろう。危機的状況に際して国の進む道を誤らぬためには,人を得ることが大切である。佐倉市新町の安城山不矜院甚大寺に「堀田正睦(ほったまさよし)墓」がある...