安土桃山

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小さな山城の大きな堀切

近世城郭の美しさが扇の勾配をなす石垣にあるのなら、戦国山城の迫力は大堀切にあると言って過言ではない。近世城郭では石垣や御殿を築くのに対して、戦国山城では曲輪、切岸、堀切を削って造る。自然の山をいかに削って城砦とするか。現場監督のできるプロフ...
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進退窮まった武将の最期

十年以上前のことである。リビアのカダフィ大佐が血まみれになって拘束される映像とともに、その死亡が報道された。国連演説で国連憲章を放り投げたとか、セントラルパークにテントを設営しようとして拒否されたとか、エピソードが懐かしい。結局テントが建て...
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絶景スポットと山城の関係性

神南備山展望台は津山の市街地が一望できる絶景スポットである。かつては夜景スポットとして知られていたが、風紀上よろしくなかったためか、今は夕方には施錠されるようだ。まあ夜景もいいが、ここは眺望を楽しみたい。遠くは泉山(いずみがせん)、その手前...
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執権北条氏の末裔が築いた堅城

古墳も山城も終末期にもっとも技巧的になる。その特色は古墳では精巧な石組、山城では横堀や畝状竪堀に見られるように思う。本日紹介する山城は大規模かつ見応えのある造りで、つづら折りの険しい登城路を息切れしながらも登る価値がある。さっそく紹介しよう...
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毛利勢最前線の堅城

東西の峰がある麦飯山(むぎいやま)城には四度目のチャレンジでコンプリート出来た。最初は何年前のことだったか横田公園から西峰に登ったものの、頂上付近が藪と化していたため撤退した。二度目は比較的最近のことで西峰登頂に成功し、二重堀切を二か所確認...
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最後まで頑張った宇喜多の城

「ご挨拶代わりに」とちょっとした贈り物をするのは、私たちの美徳だろう。もちろん手ぶらでも何の問題もないが、ちょっとした気遣いはうれしいものだ。これは現代の職場に限った話ではなく、封建領主でも事情は同じらしい。本日は名門越前松平家による領民へ...
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岡山県北の倉敷にあった名城

岡山県の倉敷市というと、美観地区、瀬戸大橋、ジーンズなどで全国的に知られる都市である。市制を施行する前、すなわち明治半ばから昭和初めまでは「倉敷町」であった。ところが県北にも「倉敷町」があり、どっちがどっちやねんと混乱が生じたらしい。そのた...
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毛利勢が高所に築いた砦を巡る

読めそうで読めない山に旧津山市内最高峰の「天狗寺山」がある。「てんぐうぎさん」と読むのだが、初めは誤植かと思い二度見したくらいだ。ならば登ってみようと、私は大佐々神社から背後の稜線をたどる山路に足を踏み入れ、とりあえず烏山(からすがせん)に...
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方谷先生ゆかりの城は備中三名城

備中聖人と呼ばれた山田方谷を大河ドラマ化しようと先月8日、伊原木岡山県知事、高梁・新見の市長など政治家、大橋洋治ANAホールディングス相談役など財界人が、NHKを訪れ要望書を提出したそうだ。大橋さんは高梁の方である。山田方谷の志に学ぶ国会議...
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今も色褪せない山中鹿介

主家再興を三日月に祈る忠義の武士、山中鹿介(やまなかしかのすけ)。『甫庵太閤記』に始まり頼山陽が盛り上げ、大町桂月が脚色して国定教科書で確立したストイックな武者像は、価値観が変化した現代にあっても色褪せることがない。ゲーム「戦国無双5」に登...