初詣客を迎える青緑色の鳥居

今年も出雲大社は初詣で賑わっていることだろう。例年60万人ほどの人出だという。私が訪れたのは一昨年の12月、拝殿は仮の本殿「御仮殿」とされていた。大社には4つの鳥居がある。鉄筋コンクリート製の宇迦橋の大鳥居を一の鳥居とすると、二の鳥居が木造で、三の鳥居が鉄製、そして写真の四の鳥居となる。

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出雲市大社町大字杵築東に「出雲大社の建築様式を示す貴重な建築群」として国の重要文化財に指定されている「銅鳥居」がある。

この銅鳥居は地元の案内パンフレットによると「銅製の鳥居としては、わが国で最も古い鳥居です」ということだ。鳥居の左柱には、次のように刻まれている。

皆寛文六年丙午 林鍾吉日 防長二州刺史 従四位下行侍従兼大膳太夫大江綱廣朝臣

寛文六年とは1666年のこと、4代将軍家綱の時代である。林鍾は陰暦6月の異称である。防長二州刺史とは、周防と長門の二国の国守である毛利氏、長州藩第2代藩主綱広(つなひろ)のことである。位階の従四位下は官職の侍従や大膳太夫に比べてステータスが高いので「行」が入っている。

毛利氏の本姓は大江朝臣であり、アマテラスの子であるアメノホヒ(天穂日命)の子孫ということだ。出雲大社の宮司である出雲国造家もアメノホヒの子孫ということだから、こうした縁で鳥居を奉納したのかもしれない。

わが国で最も古い銅製鳥居とされるが、福岡県の「英彦山神社銅鳥居」は寛永14年(1637)だというし、奈良県の「金峯山寺 銅(かね)の鳥居」は室町時代というから、最古とは言えないのかもしれない。

全体に美しい緑青の色に覆われているが、人の手の高さの部分だけブロンズの色が現れて光っている。おそらくは今年の初詣客の中にも重要文化財に手を触れた人がいたはずだ。その冷たさにすぐに手を引いたと思うが、神徳は必ずや鳥居に関心を抱いた人にあまねく施されることであろう。

コメント

  1. 株の初心者 より:

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  3. 玉山 より:

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    当記事をお目に留めてくださり光栄に存じます。
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